9/7 フラッド
(98アメリカ)
大洪水のなか、現金を運ぶ輸送車が襲われるが、ガードマン助手のクリスチャン・スレーターがとっさの判断で現金を持ち運び隠してしまう。
次第に水かさが増し、住民が避難して無人になった町のなかで強盗団とクリスチャン・スレーターとの息詰まるような攻防戦が始まっていく。
記録的な降雨という設定でまさにシャワーのように激しく雨が降る。
そして湖のようになってしまった町のなかをジェットスキーとモーターボートが激しく走り回って追跡劇がくりひろげられる。
いわば馬をジェットスキーに乗り換えての西部劇である。
話そのものはこれまでの西部劇で何度もお目にかかったことがあるような内容のものだが、大洪水というアイデアを注入することで、まったく違った面白さを生み出している。
そしてそのアイデアを見事な大洪水を再現することで迫力ある映像を作りだしている。
爆撃機工場の跡地に作られた巨大なプールに水没する町のオープンセットを建てて、そこに大量の水を流し込み、水浸しになりながら撮影されたという大変さが画面から伝わってくる。
監督のミカエル・ソロモンは「バック・ドラフト」「アビス」の撮影監督をつとめた人物で、その時の経験が十分に生かされている。
火と水をうまく使ったアクションで大いに楽しませてくれる。
また孤軍奮闘のクリスチャン・スレーターを筆頭に、強盗団のリーダー役のモーガン・フリーマン、保安官を演じるランディ・クエイド、そして唯一の女性ミニー・ドライヴァーと達者な芝居をする俳優たちがキャスティングされておりドラマとしても見ごたえのあるものになっている。
監督 ミカエル・ソロモン 脚本 グラハム・ヨスト
撮影 ピーター・メンジスJr 特殊効果 ジョン・フレイザー
出演 クリスチャン・スレーター/モーガン・フリーマン/ミニー・ドライヴァー/ランディ・クエイド
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