8/18 ラリー・フリント
(96アメリカ)
とにかくいかにもアメリカといった題材の映画である。
自由という理念のもとでのアメリカの懐の深さと混迷をポルノという世界を通して描いている。
雑誌「ハスラー」によって一大ポルノ帝国を築いた実在の人物ラリー・フリントの「表現の自由」を楯にした戦闘的ともいえる闘いを追うことでアメリカという国が抱え持つ根源的な問題が浮かび上がってくる。
そしてラリー・フリント自身もこのスキャンダラスな闘いの中で傷つき疲弊していく様子がダイナミックに描かれる。
アメリカン・ドリームを体現した男の個性的かつ激烈な生き様をウッディ・ハレルソンがエネルギッシュに演じている。
いちど見たら忘れられない強烈な個性をもった彼ならではの役柄といえよう。
それにしても彼は実に多彩な役柄を演じ分けられる俳優である。
アクションもやれば、ラブロマンスもこなし、犯罪者からインテリまで演じる対象が実に幅広い。
そしてそのどれもが存在感がある。
なかなか得難い俳優である。
また「真実の行方」で被告を演じたエドワード・ノートンがここではラリー・フリントの弁護士
を演じており、こちらもウッディ・ハレルソンに負けない存在感を出している。
彼の場合はウッディ・ハレルソンとは対極にある俳優といえようか。
どこにでもいそうでいてどこか普通とは違った雰囲気をもっており、いちど見たら不思議と強い印象を残してしまうという得難い個性をもっているのだ。どうにも気になる存在だ。
今後とも注目していく必要のある俳優である。
製作 オリバー・ストーン/ジャネット・ヤン/マイケル・ハウスマン
監督 ミロス・フォアマン 脚本 スコット・アレクサンダー/ラリー・カラゼウスキー
撮影 フィリップ・ルスロー 音楽 トーマス・ニューマン
出演 ウッディ・ハレルソン/コートニー・ラブ/エドワード・ノートン
ジェームズ・クロムウェル/ブレット・ハレルソン
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