キネマ旬報邦画ベストテン100作品データ NO.1
 
 
 
となりのトトロ
 
 
●原作・監督・脚本:宮崎駿  
●撮影:白井久男 ●音楽:久石譲    
●声の出演:日高のり子/坂本千夏/糸井重里  
 島本須美/北林谷栄/高木均/丸山裕子  
   
1988年東宝作品

 失ってしまった童心を思い出させてくれるアニメだ。 
 森のもつ神秘性とエネルギーが見事に表現されており、かつてはこんなにも豊かな自然が日本のそこここにあったということに改めて思いを致したのである。 
 懐かしく、そして優しい気持ちにさせられる映画である。
 
 
 
 
人情紙風船
 
 
●監督:山中貞雄 ●原作:河竹黙阿弥  
●脚本:三村伸太郎 ●撮影:三村明 
●音楽:太田忠 
●出演:中村翫右衛門/河原崎長十郎 
 助高屋助蔵/市川笑太郎/中村鶴蔵 
 坂東調右衛門  
  
1937年東宝作品

 「これが遺作ではちと淋しすぎる」という言葉を残して戦争に行き、そのまま帰らぬ人となってしまった山中貞雄の遺作である。 
 昭和10年代という時代の不安がこの映画の底に色濃く流れているのがよく分かる。 
 それにしても20代という若さでこんな映画を撮ってしまうとは、当時の若者の老成した成熟ぶりには驚かされる。
 
 
 
 
一条さゆり 濡れた欲情
 
  
●監督・脚本:神代辰巳 ●撮影:姫田真佐久  
●音楽:世田のぼる ●美術:土屋伊豆夫 
●出演:一条さゆり/伊佐山ひろ子/白川和子  
 粟津號/高橋明/小見山玉樹 
 小沢昭一/絵沢萠子  
   
1972年日活作品

 ローソク・ショーで一世を風靡した伝説のストリッパー一条さゆりの舞台をモチーフにストリッパーとヒモたちの生活を生命力豊かに描いた作品。 
 題名に「一条さゆり」の名前が冠されているものの、主人公は彼女の人気に嫉妬する伊佐山ひろ子演ずる若きストリッパー。 
 そしてそのヒモを演じるのが粟津號。 
 どちらも当時はほとんど無名の俳優である。 
 だがその無名性ゆえに本物のストリッパーとヒモかと思えるような存在感があって、強烈な印象を残した。 
 当時の日活ロマン・ポルノはまだほとんど世間的には認知されておらず、いかがわしい影がつきまとっていたのだが、この映画あたりから世間の見る目が少しずつ変化していったように思われる。 
 裸やセックスだけではない力強い表現がロマンポルノのなかにもあるのだということを、この作品の登場をきっかけに世間が気づき始めた。 
 そしてこの作品で才能を開花させた神代監督はこの後一挙に注目すべき監督のひとりとなっていくのである。
 
  
 
 
Shall we ダンス?
 
  
●監督・原案・脚本:周防正行  
●撮影:栢野直樹 ●音楽:周防義和  
●出演:役所広司/草刈民代/竹中直人 
 渡辺えり子/柄本明/田口浩正 
 原日出子/草村礼子  
  
1996年東宝作品

 
 
 
 
赫い髪の女
 
  
●監督:神代辰巳 ●原作:中上健次 
●脚本:荒井晴彦  
●撮影:前田米造 ●音楽:憂歌団    
●出演:宮下順子/石橋蓮司/亜湖/阿藤海  
 三谷昇/山口美也子/絵沢萠子/山谷初男  
   
1979年にっかつ作品

 雨のそぼ降る国道でダンプの運転手がひとりの女を拾う。 
 束の間のセックスを楽しむだけのつもりが、いつか彼女は男のアパートに居着いてしまう。 
 こうして正体不明の女との奇妙な同衾が始まる。 
 ふたりは来る日も来る日もセックスに明け暮れて、飽きることがない。 
 そんな隠微な生活の描写が延々と繰り返されるだけというのがこの映画の内容なのだが、神代監督は男女の性愛のある種、理想の形をここで描こうとしたのかもしれない。 
 そしてそこから生きることの不可思議さ、人間というもののどうしようもなさを浮かび上がらせようとしているように思われる。 
 原作は中上健次の小説。 
 雨のシーンが多いということもあって、この映画を観ているうちに、いつかアンニュイで気だるい気分に支配されてしまう。 
 だが同時に突き抜けた気分も漂っていることで印象はきわめて明るい。 
 これは日活ロマンポルノを代表する傑作の1本である。
 
  
 
 
 
 
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