2002年アメリカ作品
|
監督: ジョン・リー・ハンコック 脚本: マイク・リッチ
製作: マーク・シアーディ/ ゴードン・グレイ/ マーク・ジョンソン
製作総指揮: フィリップ・ステュアー 撮影: ジョン・シュワルツマン
音楽: カーター・バーウェル 出演: デニス・クエイド/
レイチェル・グリフィス
ジェイ・ヘルナンデス/ ブライアン・コックス/ ベス・グラント
アンガス・T・ジョーンズ/ リック・ゴンザレス/ チャド・リンドバーグ
アンジェロ・スピッツィリ/ ロイス・D・アップルゲイト
ラッセル・リチャードソン/ ライナー・ショーン/ デヴィッド・ブラックウェル |
テキサスの小さな町の高校教師ジム・モリスの幼い頃の夢は、メジャーリーガーになることであった。
しかし青年時代に肩を故障してその夢は断たれてしまう。
そして今は結婚し、子供も産まれ、教師として安定した生活を送っていた。
だが35歳の彼は、なぜか若い頃よりも速い球を投げることが出来た。
その剛速球を見た生徒たちが、彼にもういちどプロに挑戦することをすすめる。
そしてプロテストを受けた彼は見事に合格してしまうのである。
こうして彼の新たな挑戦が始まるのであった。
実在の人物、ジム・モリスの実話をもとにした映画である。
人生におけるセカンド・チャンス、いちどはあきらめかけた夢が実現するかもしれないと心騒がせるジム・モリス。
だがいっぽうで今ある安定した生活を捨ててまで挑戦するほどの価値があるのだろうかと心悩ませる。
そんな彼を後押しするのが妻のローリーであった。
一度は家族のために夢を諦めるようにと反対するが、結局は子どものためにも頑張るように励ますのである。
こうして夢への挑戦が始まるが、それはもう彼だけの夢ではない。
家族、友人、教え子たちの夢でもある。
期待を一身に背負っての挑戦である。
彼にとって心強くもあるが、いっぽうでは強いプレッシャーでもある。
メジャーを目指してトリプルAのチームに入団したものの、若いチームメイトに混じっての競争や過密スケジュール、劣悪な待遇、さらには週給600ドルという給料の少なさに次第に追いつめられていく。
だがそんな厳しさを乗り越えて、ついにメジャーのマウンドに立つチャンスが訪れる。
そこはまさに夢の球場である。
マイナーリーグと比べると環境、待遇、何もかもが雲泥の差である。
大リーガーとして初めて球場を訪れたジム・モリスの驚きと感動が痛いほど伝わってくる。
まさにアメリカン・ドリームの実現である。
彼が大リーグのマウンドに立つ日を心待ちにしていた人々が球場へ集まってくる。
緊張と興奮につつまれたなか、マウンドで懸命に投げるジム・モリス。
その勇姿にこちらも思わず家族や友人たちといっしょになって応援してしまう。
夢を追い続ける素晴らしさ、そして同時にそれを実現する難しさを正面切って描いた、いかにもアメリカらしい映画である。
主役のジム・モリスを演じたデニス・クエイドはピッチング・フォームもそれらしくキマっており、またいかにも大リーガーらしい精悍さにあふれていて適役である。
最近はあまり目立った活躍もなかっただけに、これは彼のセカンド・チャンスともいうべき出演であったように思う。
そのチャンスを見事に生かした好演であった。
( 2003/02/16 )
|
|