2001年アメリカ作品
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監督/脚本: キャメロン・クロウ 製作: トム・クルーズ
ポーラ・ワグナー
原案: アレハンドロ・アメナバール/ マテオ・ヒル
撮影: ジョン・トール 音楽: ナンシー・ウィルソン
出演: トム・クルーズ/ ペネロペ・クルス/ カート・ラッセル
キャメロン・ディアス/ ジェイソン・リー/ ジョニー・ガレッキ
W・アール・ブラウン/ ジェニファー・アスペン
アリシア・ウィット/ ノア・テイラー/ ティルダ・スウィントン |
スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」(アレハンドロ・アメナバール監督)に惚れ込んだトム・クルーズが自ら映画化権を買いとって、プロデュース、主演した作品。
監督はキャメロン・クロウ、「ザ・エージェント」に続いてのトム・クルーズとのコンビである。
冒頭、ニューヨークのタイムズ・スクエアでのロケ・シーンが登場、出勤時間帯であるにも関わらずそこには人影がまったく見あたらず、トム・クルーズがたったひとりだけというシーンに意表をつかれる。
いったいどんな悪夢の物語が始まるのかと期待に胸膨らむが、その後の展開がいささか複雑、未整理なままでいささか拍子抜けしてしまう。
時代の先端を生きるひとりの若者の栄光と転落の物語を通して現実とは何か、幻想とは何かということを描こうとしているのだが、今ひとつ迫ってくるものがない。
もちろんところどころにキャメロン・クロウらしい才気は感じさせられるものの、ほとんどが複雑なストーリーの説明に終始しているばかりでそれ以上の飛躍を見ることができない。
「バニラ・スカイ」とは明け方の朝と夜との境界があいまいな空の状態を指している。
同時にどれが現実でどれが幻想なのかがわからなくなってしまった映画のストーリーそのものも象徴している。
皮肉な言い方になるかもしれないが、映画そのものがそうした迷路に迷い込んで収拾がつかなくなってしまったのではなかろうか。
( 2002/12/9 )
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