2001年12月NO.6
 
 
 CARAVAN 
11/23 キャラバン

 
●監督・脚本:エリック・ヴァリ ●脚本:オリヴィエ・ダザ   
●製作:ジャック・ペラン     
●撮影:エリック・ギシャール/ジャン・ポール・ミューリス  
●音楽:ブリュノ・クーレ 
●出演:ツェリン・ロンドゥップ/カルマ・ワンギャル/ラプカ・ツァムチョエ 
 グルゴン・キャップ/カルマ・テンジン・ニマ・ラマ  
  
1999年フランス/ネパール/イギリス/スイス作品 


 
 
11/23 ただいま

 
1999年中国/イタリア
●監督・製作・編集:張元(チャン・ユアン)  
●脚本:余華(ユー・ヒュア)/寧岱(ニン・ダイ)/朱文(ジュウ・ウェン)  
●製作:張丕民(チャン・ペイミン)/曹滅湖(ウィリー・ツァオ)  
●製作総指揮:陳志滔(ジミー・タン)/侯勝君(ホウ・シェンギウン)    
●美術:趙暁宇(チャオ・シャオユー) ●編集:ヤーコポ・クアドリ 
●撮影:張錫貴(チャン・シクイ) ●音楽:趙季平(チャオ・チーピン) 
●出演:劉琳(リウ・リン)/李冰冰(リー・ビンビン)/李野萍(リー・イェッピン)  
 梁松(リアン・ソン)/李涓(リー・ジュアン)   
  


 
 A ONE AND A TWO YI YI
11/24 ヤンヤン 夏の思い出

 
●監督・脚本:エドワード・ヤン ●製作:河井真也/附田斉子  
●出演:ジョナサン・チャン/ケリー・リー/イッセー尾形  
 ウー・ニエンジェン/エイレン・チン  
2000年台湾/日本作品 

 鏡や窓ガラスに映る映像やロング・ショットの多用、こうした映像手法がエドワード・ヤンの映画の特徴のようだ。 
 さらに時間の流れやストーリーを大胆に省略するのもそのひとつ。 
 そこには説明的な映像やわかりやすさといったものから、あえて一定の距離を保とうとする姿勢が見てとれる。 
 こうした手法にはどこか侯孝賢(ホー・シャオシェン)の映画との共通性を感じさせられる。 
 同じ時代、同じ国で映画を作る者同士としてお互いを強く意識をしながら影響を与え合っているのに違いない。 
 だが侯孝賢(ホー・シャオシェン)の映画が田舎に住む人々や伝統的な技をもつ人たちを描くのとは対象的に、彼の映画は都会に住む近代的な人々や家族を描くことが多いようだ。 
 名作と云われる「クーリンチェ少年殺人事件」や「エドワード・ヤンの恋愛時代」、「カップルズ」といずれの作品も台北を舞台に、そこで生きる都市生活者たちが直面する問題を描いている。 
 私自身はエドワード・ヤンの映画を観るのはこれが初めてなので、全体を見渡した印象というのは云えないが、おそらくこの作品もその延長線上にあるのだろうということは想像できる。 
 ここに登場してくるのがそれらの作品同様、台北に生きる豊かで恵まれた人々ということからもそれは分かる。 
 そしてそんな恵まれた家庭にあってもやはりそれぞれが、生きる苦しみや哀しみを秘かに抱えており、祖母が脳卒中で昏睡状態に陥ったことをきっかけにそうした問題が浮かび上がることになる。 
 医者から「昏睡状態の祖母に語りかけることが大切な治療法のひとつ」とアドバイスを受けたのに従って家族のそれぞれが祖母に語りかけることになるのだが、まず母親が自分には語るべき何ものもないことに気づく。 
 そしてそれをきっかけに彼女は改めて自分を考え直そうと家を出る。 
 また父親は友人と共同経営するコンピュータ会社が経営危機に陥っており、そんな苦境の中、昔の恋人と偶然再会、恋のやり直しをしようとする。 
 さらに娘は隣室に住む友人の恋人と恋に落ち、心悩ますといったぐあいにそれぞれが人生の転機を迎えることになる。 
 そしてその誰にも告げられない心のうちを秘かに祖母にだけ語りかける。 
 こうした問題に直面した彼らにとってキーパーソンとなるのが幼いヤンヤンと日本人ゲーム・プログラマー大田のふたりだ。 
 ヤンヤンは「人は自分で自分の後ろ姿を見ることはできない」といった発想から、人の背中の写真ばかりを撮り続けている。 
 そんな幼い行為のなかに、人生の見えないもうひとつの側面を予感させている。 
 そしてプログラマー大田は商談のなかで自らを語ることで父親に哲学的な示唆を与える。 
 この人物をイッセー尾形が好演している。 
 そんなふたりが彼らの心を優しく癒していく。 
 「物事は複雑に見えているが、ほんとうは単純なものなのだ。」 
 「人生をやり直したいと思ったが、結果は前と同じことを繰りかえしただけ。人生は1回だけで十分」 
 そんなセリフが心に残る。 
 そうした言葉から生きるということへの深い眼差しが伝わってくる。 
 結婚式に始まり葬式に終わるこの家族の物語は、あるいは小津映画へのオマージュが込められているのかもしれないなどとふと思ったりしたが、はたしてどうだろう。 

 
 CHUNHYANG
11/24 春香伝

 
●監督・脚本:イム・グォンテク ●原案:チョ・サンヒョン ●製作:イ・テウォン 
●撮影:チェン・イルソン ●音楽:チョ・サンヒョン(パンソリ)  
●出演:チョ・スンウ/イ・ヒョジョン/イ・ジョンホン  
 キム・ソンニョ/キム・ハギョン/イ・ヘウン  
2000年韓国作品 


 
  
 
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