2001年7月NO.4
 
 
THE REPLACEMENTS
7/24 リプレイスメント

 
●監督:ハワード・ドイッチ ●脚本:ビンス・マケウィン 
●製作総指揮:アーウィン・ストフ/ジェフリー・チャノーフ/スティーブン・ルーサー 
●製作:ディラン・セラーズ ●編集:バド・スミス  
●撮影:タク・フジモト ●音楽:ジョン・デブニー 
●出演:キアヌ・リーブス/ジーン・ハックマン/ブルック・ラングトン  
 オーランド・ジョーンズ/フェイゾン・ラブ/マイケル“ベアー”タリフェーロ 
     
2000年アメリカ作品 

 

 
MY DOG SKIP
7/25 マイ・ドッグ・スキップ

 
●監督:ジェイ・ラッセル ●原作:ウィリー・モリス ●脚本:ゲイル・ギルクリースト 
●製作総指揮:マーティー・ユーイング/ジェイ・ラッセル 
●製作:ブロデリック・ジョンソン/アンドリュー・コーソーブ  
●撮影:ジェイムズ・L・カーター ●音楽:ウィリアム・ロス 
●出演:ルーク・ウィルソン/フランキー・ミューニース/ケビン・ベーコン 
 ダイアン・レイン/マーク・ビーチ/スーザン・キャロル・デイビス  
     
1999年アメリカ作品 

 作家ウィリー・モリスが自らの体験を綴った自伝的な小説を映画化したもので、犬好きの人間にとってはこたえられない作品だ。 
 涙なくしては見られない。 
 かく言う私も愛犬家のひとりで、我が家でも10歳になるラブラドール・レトリバーと3歳の雑種犬を飼っているため、ひときわ身近に感じることになった。 
 時は1940年代、第2次世界大戦のまっただ中にあるミシシッピ州の人口1万人ほどの小さな町ヤズーが舞台。 
 対外的には戦争という大きな出来事があるにもかかわらず、この小さな町は平穏無事なままで表面的にはいつもの町ととくに変わりなく見える。 
 ただ時折若者が出征する姿が見られることや、映画館のニュース映画で戦争の様子を目にするくらいが違いといえた。 
 だが主人公ウィリーや町の少年たちの憧れの的であるスポーツ万能青年ディンクが出征することになると急に戦争が身近で現実味を帯びたものとして見えてくる。 
 ウィリーの父親もスペイン内戦に参加して片足を失った傷痍軍人で、それがもとで彼の性格や人生が大きく変わってしまったという人物なのだが、それまでのウィリーにとってはそのことを別段気にも留めずに過ごしていた。 
 だがディンクの出征をきっかけに父親の戦争体験にも彼なりに目を向けるようになり、父親といっしょに出かけた森のなかでふと父親の戦争体験について聞いてみたりする。 
 そんな戦争の影がちらつく中で物語が語られていく。 
だがそれでも町の自然はあくまでも美しく、人々は優しく穏やかだ。 
 そしてウィリーにとっての当面の大きな問題は戦争よりもむしろ学校でいじめの対象にされているという現実なのである。 
 ひとりっ子で多少過保護気味の彼はスポーツが苦手で、いつも家で本を読んでばかりいる少年だ。 
 そのためディンク以外には友達がおらず、その唯一の友達が出征することで彼の孤独はますますつのることになってしまったのである。 
 そんなウィリーを見かねた母親が彼のために犬を飼うことを思いつく。 
 しかし父親は「まだ早すぎる」と言って反対する。 
 過酷な戦場でさまざまな死を目にしてきた彼は犬を飼うことで息子が同様の悲しみを味あうかもしれないと危惧したのである。 
 その悲しみを受け止めるにはまだ幼すぎるというのだ。 
 だが母親はその反対を押し切ってウィリーの誕生日に強引に子犬をプレゼントしてしまう。 
 そして頑固に反対する父親を説得、期限つきではあったが飼うことを認めさせてしまう。 
 こうしてスキップと名付けられた子犬は新しい家族の一員として迎えらる。 
 兄弟のいないウィリーにとってスキップはまるで弟のような存在だ。 
 どこへ行くにもスキップがいっしょである。 
 遊びに出かける時はもちろん買い物に行くときも、また映画を見に行くときでさえもスキップはいっしょだ。そして夜は同じベッドで仲良く眠る。 
 その愛情に応えるようにスキップは忠実な愛犬に育っていく。 
 そして人懐っこいスキップはいつしか町の人気者になり、それとともにウィリーの行動半径も広がり、家に閉じこもりがちだった彼の生活は大きく変化しはじめる。 
 またイジメられっ子だったウィリーがいじめっ子たちから一目置かれるきっかけをつくったり、ガールフレンドとの仲を取り持つことになったりといったふうに、これまでどうしてもできなかったことがスキップの助けによってつぎつぎと実現していくようになる。 
 犬を育てることでウィリーに自信をつけさせたいと願った母親の目論見は見事的中したわけで、ウィリーはたくましい少年へと生まれ変わっていく。 
 そして同時に頑なだった父親の心もいつしか癒されてはじめ、次第に柔らかな心を取り戻すことになる。 
 こうした変化は犬を飼ったことのある人にとってはけっして珍しい話ではない。 
 それどころか犬によって家族が再生していくという例はいくつでも数え上げられることができるほどである。 
 犬にはそんな不思議な力があるということで、それだけにこの物語を身近でより深く共感できるものとして観ることができるのだ。 
 こうした動物との幸せな日々というのは人生にとってはかけがいのないものである。 
 また同時にそうした日がいつまでも続くものではないということもわれわれは知っている。 
 だからこそなおさらかけがえがないのだということも。 
 映画でもやがてウィリーとスキップとの悲しい別れの時がやってくる。 
 ひ弱かったウィリーが立派な青年に成長し、大学入学のためにヤズーの町を離れることになる。 
 その日、両親や友人たちといっしょに年老いたスキップもバス停まで見送りにやってくる。 
 ウィリーとの別れを知ってか知らずか走り去るバスを静かに見送るスキップの姿。 
 そのあどけない姿に思わず胸が熱くなる。 
 過ぎ去ったまま二度と帰らない時間、スキップの存在はまさにその時間を象徴するかのようだ。 
 そして振り返るたびにそれはますます輝きを増していく。 
 思い出はいつも甘美で美しい。 
 見事に再現された40年代当時の町並や風景が夢のように美しいのはそのためであろう。 
  ちなみに「スキップ」を演じている犬はジャックラッセルテリアという種類の犬で日本ではまだあまり馴染みのない犬種である。 
 こんな犬といっしょに過ごせたら何と幸せなことだろうと、ウィリーならずとも思ったような次第である。 
 それと同時に我が家の犬たちがますます愛しく思えてきた。 
2001/07/30 

 
SOAPDISH
7/26 ソープディッシュ

 
●監督:マイケル・ホフマン ●原案・脚本:ロバート・ハーリング  
●脚本:アンドリュー・バーグマン 
●製作総指揮:ハーバート・ロス 
●製作:アーロン・スペリング/アラン・グライスマン  
●撮影:ウエリ・スタイガー ●音楽:アラン・シルヴェストリ 
●出演:サリー・フィールド/ケヴィン・クライン/ロバート・ダウニー・Jr  
 キャシー・モリアーティ/ウーピー・ゴールドバーグ/エリザベス・シュー   
     
1991年アメリカ作品 

 アメリカではお昼に放送されるメロドラマのことを別名「ソープオペラ」と呼ぶそうだが、これはかつてこの手のドラマのスポンサーに石鹸メーカーがなっていたことや、内容がいつも「オペラ」のように大げさなことから名付けられたものだ。 
 そこに多少の皮肉や冷やかしが感じられるが、この別名からも自ずとこれらのドラマの置かれた位置が見えてくる。 
 たとえばこれらのドラマは人気があれば何年も続くが、時にご都合主義的に内容が変更されることも珍しくなく、それがたとえ辻褄が合わなくなるほどの大幅な変更であってもドラマの人気のためには平気でまかり通ってしまうという世界である。 
 そんなテレビ界の内幕が皮肉たっぷりにおもしろおかしく描かれている。 
 主人公は大人気ドラマ「日はまた沈む」の看板女優セレステ。 
 彼女は過去何回も昼メロドラマの主演女優賞を受賞しているソープオペラ界の女王ともいうべき存在だが、プライベートでは恋人に逃げられ、またかつてあった人気にも次第に翳りが見えてきているといったぐあいに、何かと頭を悩ますことの多い中年女性である。 
 さらに彼女の人気を妬む共演女優のモンタナがなんとか彼女を失脚させようと番組のプロデューサーを色仕掛けで動かしてさまざまな陰謀を企てようとしている。 
 そんな陰謀のひとつがセレステの昔の恋人ジェフリーが演じてとっくに死んだはずの男を実は生きていたことにして蘇らせるというものであった。 
 これによってセレステの過去のスキャンダルを暴こうと画策するのである。 
 だがその思惑は見事に外れ、事は思わぬ方向へと発展していくことになる。 
 そしてラストには意外な落ちが用意されており、笑いのうちにハッピーエンドとなっていくのである。 
 主人公セレステをサリー・フィールド、昔の恋人ジェフリーをケヴィン・クライン、プロデューサーをロバート・ダウニー・Jr、セレステの親友でドラマの脚本を書く脚本家をウーピー・ゴールドバーグが演じており、彼らの達者な演技のかけ合いが楽しめる。 
 なかなかの掘り出し物の1本であった。 
2001/07/27 

 
  
 
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