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●監督・脚本:伊丹十三
●撮影:前田米造 ●音楽:湯浅謙二
●出演:山崎努/宮本信子/菅井きん
大滝秀治/財津一郎/友里千賀子
尾藤イサオ/高瀬春奈
1984年ATG作品
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冠婚葬祭が映画の一シーンとして登場するのはなにも珍しくはないが、「葬式」そのものを映画として取り上げるということはこの映画が始めてではなかろうか。
妻の父が急死したために、突然未経験の葬式のいっさいを取り仕切らねばならななくなった主人公の、葬式が終わるまでの一部始終がおもしろおかしく描かれていく。
そんな話を映画にしておもしろいのかと誰もが疑問に思うところだが、そこを逆手にとった意表をつく発想で、映画は見事に大ヒットをしたわけだ。
俳優伊丹十三の初監督作であるが、こういった奇抜な発想こそが彼の持ち味で、彼のジャーナリスティックな才能が感じられるところである。
その後の映画もすべてこの路線を走っていくことになる。
さらにこうした発想を真似たいわゆる「ハウツーもの映画」が続々と作られることにもなる。
周防正行監督などもこうした発想の影響を受けたひとりといえよう。
葬式といえば、すぐに小津映画を思い出すが、この映画でもやはりところどころに小津映画を引用したような部分が見受けられる。 |
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