|
●監督・脚本:木下恵介
●撮影:楠田浩之●音楽:木下忠司
●出演:望月優子/桂木洋子/田浦正巳
上原謙/高杉早苗/淡路恵子
高橋貞二/佐田啓二
1953年松竹作品
|
戦争未亡人がふたりの幼子を抱え、苦労して育て上げるが、結局ふたりの子供から見捨てられ、自ら命を絶つという悲劇である。
戦後の混乱と戦争の傷跡をひとりの報われない女の姿を通して描こうとした木下恵介監督の意欲作。
主人公の母親をさまざまな母親役を演じ続けた望月優子が熱演しており、彼女の代表作である。
同じく木下恵介作品で、同様に戦争未亡人となってしまう「二十四の瞳」のほうは救いがあるが、こちらはまったく救いがない。
あるいはこの2作品によって戦争を描かない反戦映画を陰と陽という両面から描こうとしたのかもしれない。 |
|