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●監督:黒木和雄
●脚本:清水邦夫/田辺泰志
●撮影:田村正毅 ●音楽:松村禎三
●出演:原田芳雄/石橋蓮司/中川梨絵
松田優作/桃井かおり/粟津號
野呂圭介/田村亮/外波山文明
1974年ATG作品
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幕末、京都で坂本竜馬が暗殺されるまでの最期の3日間を描いた作品である。
竜馬を原田芳雄、ともに斬殺される仲間、中岡慎太郎を石橋蓮司が演じている。
さらに竜馬を追う得体の知れない若者を松田優作が演じるといったぐあいで、強烈な個性のぶつかり合いが見ものである。
監督は黒木和雄、ドキュメンタリー出身の監督らしくこの映画もまるで幕末にカメラを持ち込んだかのような荒々しいドキュメンタリー・タッチで描かれている。
この映画の製作当時は、激しかった学生運動も次第に終息に向かいつつあった頃で、それだけにセクト間の争いはますます過激なものになり、血生臭い内ゲバ事件が頻発していた。
そうした時代背景がこの映画にも色濃く投影されているように思う。
黒木監督は後に原田芳雄、石橋蓮司を再び起用して「浪人街」を撮り、アウトサイダーとしての侍たちを描いているが、本作のほうがはるかにアナーキーで力強い。
やはり時代に後押しされたところがあるからにちがいない。 |
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