2000年6月 NO.2
  
  
 
6/7 あつもの

 
●監督・脚本:池端俊策 
●プロデューサー:池端俊二 ●製作:李鳳宇/中村雅哉/國實瑞恵   
●撮影:栃沢正夫 ●音楽:岩代太郎 ●美術:池谷仙克 
●出演:緒形拳/ヨシ笈田/小島聖/大楠道代/中村嘉葎雄/財津一郎 
  田辺誠一/清水美砂/杉本哲太/光石研/三谷昇/串田和美 
  
1999年日本作品 

 

 
 
 PECKER
6/8 I LOVE ペッカー

 
●監督・脚本:ジョン・ウォータース 
●製作:ジョン・フィードラー/マーク・ターロフ 
●撮影:ロバート・スティーブンス ●音楽:スチュワート・コープラント 
●出演:エドワード・ファーロング/クリスティーナ・リッチ/マーサ・プリンプトン 
 リリ・テイラー/マーク・ジョイ/ベス・アームストロング 
1998年アメリカ作品 


 
 
 
6/9 中国の鳥人

 
●監督・脚本:三池崇史 ●原作:椎名誠 ●脚本:NAKA雅MURA 
●製作:岩切靖治/古里靖彦 ●撮影:山本英夫 ●衣装:磯井篤郎 
●美術:伊藤ゲン ●音楽:遠藤浩二(SOUND KID'S) 
●出演:本木雅弘/石橋蓮司/マコ・イワマツ/王麗惣  
  
1998年日本作品 

 いい映画である。 
 こういう雰囲気のある映画は大好きだ。 
 先日観た「あつもの」もふたりの男の不思議な関係を描いた秀作だったが、こちらも同様にふたりの男の奇妙な触れ合いを描いた映画である。 
 ひとりは本木雅弘演ずる商社マン和田、かたや石橋蓮司演ずる中年ヤクザ氏家。 
 水と油のようなふたりがマコ・イワマツ演ずる変な日本語を話す中国人通訳、沈に案内されて中国雲南省の小さな村へと旅をする。 
 山を越え、川を渡り、道なき道を分け入っていくこの旅の珍道中ぶりがおかしい。 
 文明社会にどっぷり浸かったふたりと小さな事にこだわらず泰然自若に生きる中国人たちとの間に生じるギャップが旅の至る所でかいま見られ、その都度慌てふためくふたりの驚きぶりが爆笑ものである。 
 このあたりは原作者である秘境の旅のベテラン椎名誠の体験から出てきたエピソードであろうが、それをさらに面白おかしく描く三池崇史の腕もさすがである。 
 こういった旅のプロセスのおもしろさによって秘境の村のいささか現実離れしたような世界へと抵抗なく入っていける。 
 そしてふたりの男がこの世俗から遠く離れた村の不思議な魅力に次第に惹きつけられていく様子にも素直に共感できるのだ。 
 さらには氏家が当初の目論見を忘れてこの村を文明の毒から守ろうと立ち上がる狂気の行動にも無理からぬものを感じるのだ。 
 粗暴で単純なやくざ者の氏家の生き方までも変えてしまうほどこの辺境の村の自然は素晴らしい。 
 不時着したイギリス人パイロットがこの地に骨を埋める決意をしたのもおそらくはこうした自然に魅せられた部分が大きかったのではなかろうか。 
 しかしそれでいてなおかつ望郷の思いが断ちがたかったのも偽らざる心境であったのだ。 
 こうした引き裂かれた感情が少女の歌うスコットランド民謡「アーニーローリー」にこめられているのである。 
 切なく哀しい思いが強く胸に響いてくる。 
 本木雅弘、石橋蓮司、マコ・イワマツとそれぞれが持ち味を出してなかなかいいアンサンブルを見せているが、なかでも石橋蓮司のヤクザ者がとくにいい。 
 乱暴者だが憎めない愛嬌があり、切ったはったの修羅場を生きてきた凄みと苦しみを虚勢の裏に垣間見せるこの役を飄々と実にうまく演じている。 
 彼が演じた様々のキャラクターのなかでもとくに忘れられないキャラクターのひとつになるだろう。 
 これは三池崇史監督作品のなかでもとくに印象に残る1本であった。

 
 
 
6/9 狂わせたいの

 
●監督・脚本・製作・照明・編集・美術:石橋義正 
●撮影:岡本孝司 
●出演:岡本孝司/分島麻美/キララはづき/木村真束/砂山典子/藤戸美和世 
 藪内美佐子/田中真由美/高嶺格/中西陽子/石橋義正  
1997年日本作品 

 山本リンダのヒット曲「狂わせたいの」にのせて裸の女がシルエットでセクシーに踊るオープニングからもうこの映画の過激でバカバカしい世界が全開である。 
 帰宅途中につぎつぎと現れる謎の女たちによって気弱なサラリーマンが悪夢のような体験をしていくというこの映画は寺山修司の実験映画、つげ義春の悪夢的世界、吉本新喜劇のようなナンセンスな笑い、それに若松孝二のピンク映画のアナーキーさなどがごった煮されたような世界が展開されていく。 
 まさに現代のサラリーマンが意味もなくまったく唐突にカフカ的不条理世界に遭遇してしまうのである。 
 ナンセンスもここまで徹すると見事というほかない。 
 そして登場してくる女たちがどれも過激で怪しいのがなんともいい味を出している。 
 電車のなかで遭遇する女はSMチックに身体にロープを巻いており、乳首には鈴をぶら下げているといった出で立ちである。 
 その女にさんざん挑発され、終いには全裸のダンスまで見せつけられてしまうのだ。 
 さらに次に現れたタクシーの女運転手からは汚い言葉で罵倒されたうえ車は暴走して生きた心地がしない。 
 ようやく逃げ込んだ居酒屋では意味のない夫婦喧嘩に巻き込まれて包丁で刺されてしまい、治療のつもりで入った病院では女医からまったく場違いな治療を受ける羽目になり、といった具合につぎつぎと女たちの被害にあってしまうのだ。 
 そのたびに彼女たちは山本リンダ、中村晃子、金井克子らのノリのいい歌謡曲に合わせて淫靡なダンスで踊り狂うといったことを繰り返す。 
 そして最後は無実の罪で刑務所に入れられてしまい、おまけに頭のネジの緩んだ真犯人の女性が毎日面会に来ては意味のない会話をしていくといったふうで、ここにきてサラリーマンのほうの頭のネジも完全に緩んでしまうのである。 
 なんともシュールでバカバカしい世界だ。 
 しかしそのバカバカしさがいかにも楽しい。 
 いちどはまるとクセになってしまいそうな世界である。 
 けっして表通りには現れないが、一部のマニアからは熱狂的に支持されるという種類の映画である。 
 おもしろい映画と出会ったものである。

 
 
 ANY GIVEN SUNDAY
6/12 エニイギブンサンデー

 
1999年アメリカ作品
●監督・脚本・製作総指揮:オリバー・ストーン ●製作総指揮:リチャード・ドナー 
●製作:ローレン・シュラー・ドナー/クレイトン・タウンゼンド/ダン・ホルステッド  
●脚本:ジョン・ローガン/ダニエル・パイン  
●撮影:サルバトーレ・トチーノ ●プロダクション・デザイナー:ビクター・ケンプスター 
●音楽:ビル・ブラウン/リチャード・ホロウィッツ/カマラ・カンボン/ポール・ケリー 
 MOBY/ロビー・ロバートソン 
●出演:アル・パチーノ/キャメロン・ディアス/デニス・クエイド/ジェームズ・ウッズ 
 ジェイミー・フォックス/LL COOL J/マシュー・モディーン 


 
 
 
 
 
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