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●監督:サム・メンデス ●脚本:アラン・ボール
●製作:ブルース・コーエン/ダン・ジンクス ●撮影:コンラッド・L・ホール ●音楽:トーマス・ニューマン ●出演:ケビン・スペイシー/アネット・ベニング/ソーラ・バーチ/ウェス・ベントレー ミーナ・スバーリ/クリス・クーパー/ピーター・ギャラガー 1999年アメリカ作品
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| アメリカのどこにでもありそうな中流家庭の崩壊を描いて本年度のアカデミー賞5部門を受賞した話題の映画。
主演の夫婦を演じるケビン・スペイシーとアネット・ベニングの倦怠ぶりがなかなかいい。 お互い愛し合って結婚したふたりだが、長年の間にお互いの価値観が大きくずれてきており、今ではふたりの間でセックスもなく、ただただ惰性だけで毎日を過ごしている夫婦である。 だがサラリーマンである夫も不動産のセールスウーマンである妻も表面は幸せで何事もない夫婦を装うことでなんとか世間体を繕っているのである。 そんな寒々しい風が吹いている夫婦のすれ違いが身に迫ってくる。 さらにひとり娘のジェーンは反抗期の高校生で、そんな両親の姿を軽蔑し、とくに父親に対してはまともに口もきかないという状態である。 そして父親であるレスターもそんな娘の複雑さにどう対応していいかわからない。 こうした特別目新しくもなくどこにでもありそうな中流家庭の不安定さがレスターのリストラをきっかけにいっきに崩壊に向かって転がっていく。 その引き金となるのが隣家に引っ越してきたビデオ・オタクの青年リッキーと娘の友人アンジェラというふたりのティーンエイジャーたちである。 とくに妖艶な美少女アンジェラはレスターの忘れていた恋心を痛く刺激して、もういちど青春を取り戻そうとするきっかけをつくることになる。 それは一見愚かしく、哀しい暴挙のようにも思えるが、こうした行動によってそれまでの「死んだような」生活に幾分かの変化が生まれるようになってくる。 あるいはそこからレスターの違った人生が拓かれていったかもしれないと思わせるのだが、残念ながら映画ではそうはなっていかない。 そこには哀しく愚かしい結末が待っているだけである。 そのシニカルでビターな視線のなかに、現代アメリカ家庭の抱えもつ問題の複雑さと難解さを感じるのはひとり私だけではないだろう。 そのことがすなわちどちらかといえば地味な部類に属するこの映画がアカデミー賞5部門を受賞したことの大きな理由なのではないかという気がするのだ。 |
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●監督・脚本:マニュエル・ポワリエ ●脚本:ジャン=フランソワ・ゴイエ
●製作:モーリス・ベルナール/ミッシェル・サン=ジャン ●撮影:ナラ・ケオ・コサル ●音楽:ベメナルド・サンドヴァル ●出演:セルジ・ロペス/サッシャ・ブルド/エリザベート・ヴィタリ マリー・マテロン/バジル・シエクア 1997年フランス作品
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| 誰もが心に淋しさを抱え持ち、ひたすら誰かを愛したい、愛されたいと願いながら、愛する人を探し求めている。
そんな心淋しい人々の奇妙なめぐり合いを優しい眼差しで描いたフランス版ロードムービー。 主人公であるイタリア系ロシア人のニノとカタロニア出身のスペイン人パコのふたりが放浪の末にほんとうに愛する人に巡り会うことができるかどうかがちょっとコミカルなタッチで描かれていく。 ふたりはフランスでは異邦人である。 それだけに愛を求める気持ちは人一倍強いものがある。 そしてそんな気持ちを彼らは率直に表現する。 とくにチビで見栄えのしないニノにとってはそのことは切実な問題なのである。 対して女好きのするパコには少しばかり余裕があり、そんなふたりが時に微妙に立場を入れ変えながら旅が続けられてゆく。そしてその先にたどり着いたところは・・・・・・。 ちょっぴり皮肉がこめられた結末に人生のほろ苦さと同時にほのぼのとした気持ちを味わえる。 そして映画の最後に流れる主題歌がまさにこの映画の主旋律を奏でている。 「俺は愛を求めて人生を歩む。その道が険しいと分かっているさ。人生では困難のあとにいいことが起きる。」 |
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●監督:フィリップ・ノイス ●原作:ジェフリー・ディーヴァー
●製作総指揮:マイケル・クローウィッター/ダン・ジンクス ●脚本:ジェレミー・アイアコン ●撮影:ディーン・セムラー ●音楽:クレイグ・アームストロング ●出演:デンゼル・ワシントン/アンジェリーナ・ジョリー/クィーン・ラティファ マイケル・ルーサー/マイク・マックローン/ルイス・カスマン 1999年アメリカ作品
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| 事故で脊椎を損傷し、頭と指先以外は麻痺してしまった元科学捜査のスペシャリスト、リンカーン・ライムがベットの上で不気味な連続猟奇事件の謎を解いていくというサイコ・ミステリー。
原作はジェフリー・ディーヴァーのベストセラー小説。 デンゼル・ワシントンが主人公リンカーン・ライムを演じている。 そして彼の手足となって現場で働くことになるのがパトロール警官から抜擢された女性警官アメリア。 新人女優アンジェリーナ・ジョリーが魅力的に演じている。 出だしの謎を含んだ事件の展開がなかなかいい。 思わず膝を乗り出してしまうような複雑怪奇な要素が盛り込まれており、後半に期待を抱かせるに十分なものがある。 さらに第1の事件をただひとりで的確な処理をしたアメリアがその才能をリンカーン・ライムに認められ、第2、第3の事件の現場処理の責任者として懸命に責務を全うしていこうとする展開、さらに彼女の父親も実は元警官で、何かの事情で自殺をしており、それが彼女の深いトラウマとなっていることなどがからんでくることで強く興味をひかれていく。 だがそうした興味も事件の全貌が解き明かされるにつれて徐々に稀薄なものになっていってしまう。 結局真相がこの程度ではなんとも弱いと言わざるをえないのだ。 おそらく小説で読む分には迫力あるものなのかもしれないが、映画とすればちょっと力強さに欠けてしまうところがある。 またリンカーン・ライムとアメリアの確執や彼女のトラウマの問題もなんとなく中途半端なままに終わってしまったという印象なのである。 といったことで結果はサイコ・ミステリーとしてはぎりぎり及第点をクリアしたといったところである。 |
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●監督・脚本:チョン・ユンヒョン ●脚本:チョ・ミョンジュ
●製作:ミョン・フィルム ●編集:パク・コクチ ●美術:シム・ボキョン ●撮影:キム・ソンボク ●音楽:チョ・ヨンウク ●出演:ハン・ソッキュ/チョン・ドヨン/キム・テウ/チュ・サンミ 1997年韓国作品
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| 「八月のクリスマス」「シュリ」で強烈な印象を残した俳優ハン・ソッキュ主演のラブ・ストーリー。
題名の「接続」はパソコン通信の接続のことを指している。 その題名通りに会ったことのない男女がパソコン通信によって次第に心を通わせていくという物語で、いわば韓国版「ハル」である。 ともに恋に破れたふたりの様子が「Love Letter」のような接近やすれ違いをくりかえし、現代的な味付けを施されて描かれる。 韓国で大ヒットしたということが頷ける心暖まるラブ・ストーリーである。 ここでも主演のハン・ソッキュの笑顔が優しく、切ない。 |
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●監督:ジョン・フォード ●脚本:エドワード・ホープ
●製作:ロバート・アーサー ●撮影:チャールズ・ロートンJr. ●音楽:ジョージ・ダニング/モリス・ストロフ ●出演:タイロン・パワー/モーリン・オハラ/ドナルド・クリスプ ロバート・フランシス/ウォード・ボンド 1954年アメリカ作品
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| ジョン・フォードお得意のアイルランド魂を描いた1本。
ウエストポイント陸軍士官学校を舞台に、そこで50年間にわたって士官候補生たちを教育してきたアイルランドからの移民マーティー・マーの生涯を描いている。 師弟愛、友情、夫婦愛などがジョン・フォード流のユーモアや人情味あふれる筆致で描かれており、ジョン・フォードの無邪気とも思えるようなアメリカ讃歌が高らかに歌いあげられている。 気丈で可愛いアイルランド女性の美徳を備えたマーティー・マーの妻を例のごとくモーリン・オハラが好演している。 そして主役のマーティー・マーをタイロン・パワーがちょっとコミカルな味わいで演じているのがおもしろい。 いかにも二枚目然とした役柄の多いタイロン・パワーだが、こういった役の彼を見るのも新鮮でいい。 題名の「長い灰色の線」というのは士官候補生たちが灰色の制服を着て一列になって行進する様子を指している。 |
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