2000年2月 NO.3
  
 
 SIMON BIRCH
2/17  サイモン・バーチ

●監督・脚本:マーク・スティーヴン・ジョンソン ●原作:ジョン・アービング 
●製作総指揮:ジョン・バルデッチ ●共同製作:ビリー・ビギンズ 
●撮影:アーロン・E・シュナイダー ●音楽:マーク・シャイマン 
●編集:デビッド・フィンファー ●衣装デザイン:ベッツィー・ヘイマン 
●出演:ジョゼフ・マッゼロ/イアン・マイケル・スミス/アシュレイ・ジャッド 
 オリバー・プラット/デビッド・ストラサーン/ダナ・アイヴィー/ジャン・フックス 
1998年アメリカ作品 

 「サイモン・バーチ」、この名前を呟くだけで心が暖かくなってくる。 
 モルキオ症候群で成長が止まってしまった12歳のサイモン、身長96センチしかない彼を実際に同じような難病を抱えて生きるイアン・マイケル・スミスが見事に演じて感動的である。 
 そしてそんな難病を抱えながらも、明るく前向きに生きる姿に強く勇気づけられる。 
 私生児である親友ジョーと森のなかを走り回り、池で泳ぎ、息を停めて潜水の時間を競い合い(これが後の事件の伏線にもなっている)、またともにリトル・リーグの補欠として野球を楽しむといった毎日を過ごしている。 
 さらには教会で、大人や牧師を相手に自説を曲げずにがんばるといった頑固な一面もみせる。 
 そんな彼の生き方を支えているのが、「神様は自分に何かの役目を負わせるために、こうした身体をお与えになったに違いない。そしていつかそのプランを果たすときがきっとくる。自分はその時、ヒーローになる。」といった信念なのである。 
 そしてそんな彼の考えが証明されるような事件が起きることになる。 
  
 「カーブの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」で知られる現代アメリカ文学の旗手ジョン・アービングの書いたベストセラー小説「オーエンのために祈りを」がこの映画の原作である。 
 ただしここではシニカルで不可思議なアービング色はいささか抑えられ、どちらかといえばオーソドックスなしつらえになっている。 
 そういった意味ではアービング独特の毒気は薄められてはいるものの、その分だけ優しさの強調された内容のものになっており、口当たりはいい。 
 そしてなによりもどんなに小さく、無価値に思えるような存在にも必ず大きな意味や使命があるのだといったメッセージがダイレクトに伝わってくるのである。 
 サイモン・バーチが喋る大人っぽいセリフのひとことひとことが力強く、時にユーモラスに胸を打つ。 

 
 
 
DREAM FOR AN INSOMNIAC
2/17  モノクロームの夜

●監督・脚本:ティファニー・ディバートロ 
●製作:クリストファー・ロイド ●製作総指揮:リタ・J・ロキスキー/ジョン・ハケット 
●撮影:ギレルモ・ナヴァロ ●音楽:ジョン・ラライオ 
●出演:アイオン・スカイ/ジェニファー・アニストン/マッケンジー・アスティン 
 マイケル・ランデス/シーモア・カッセル/ショーン・ブラックマン 
1997年アメリカ作品 

 未公開作品を観ていると時に思わぬ拾い物をすることがあるが、この作品もそんな拾い物の1本であった。 
 題名が「モノクロームの夜」ということから、いささか難解で、観念的な暗い映画を想像していたのだが、いい意味で予想が外れて、なかなかハッピーでよく出来た青春映画であった。 
  
 アイオン・スカイ演じる主人公フランキーは幼い頃に両親を交通事故で失い、以来伯父さんのもとで育てられた。 
 伯父さんを演ずるのがシーモア・カッセル。例によって粋で優しく頼りがいのある男を好演しており、カフェを経営しながらゲイの息子と彼女を優しく見守っている。 
 そして女優志望の彼女には同じ志望をもつ親友がいて、それをジェニファー・アニストンが演じており、それがこのビデオを借りる際の決め手になったわけである。 
 そしてやはりここでも彼女は溌剌とチャーミングで、期待に応えてくれている。 
 だが、それに負けず主役のアイオン・スカイも十分に魅力的で、ともに気に入ってしまったのである。 
 そんなふたりの組み合わせがなかなかいい。 
  
 こうした恵まれた環境のなかにあっても彼女は両親の死以来それが原因の不眠症に陥っており、満足に眠ったことがない。 
 そんな彼女の前にカフェのアルバイトとして小説家志望のデビッドが現れ、たちまち彼女は夢中になってしまう。 
 そしてふたりの恋の行方がさまざまな紆余曲折を経ながら描かれていくというわけである。 
 フランキーが詩や小説のフレーズを引用しながら喋るクセのある文学少女という設定が面白い。 
 そんな彼女の前に現れたデビッドも彼女に負けない引用好きで、ふたりでそのフレーズの原典の当てっこをするくだりがなかなか楽しい。 
 これがきっかけでお互いが急速に接近していくのだが、その様子が生き生きとしていて微笑ましい。 
 また彼女がフランク・シナトラの大ファンで、それは亡くなった父親がかってシナトラのバンドに在籍していたミュージシャンということも大きな理由のひとつなのだが、そのためにカフェの壁にはシナトラの写真がたくさん架かっており、さらに彼が歌うレコードが頻繁に流れるというのもなかなかいい。 
 このカフェが実にいい雰囲気で、いかにも下町の気さくな喫茶店という趣があり、近所にこんな店があれば入り浸ってしまうだろうなと思わせるような店なのである。 
 実際ここには住み込み(?)の常連客というミュージシャンの卵が居着いているのである。 
 そんなこんなで、とにかくすべてに趣味がよく、いい味を出している。 
 監督が弱冠25歳の女性監督ティファニー・ディバートロ、これが彼女のデビュー作でもある。 
 タイトル・ロールの最後にさり気なく『TO MY MOM AND DAD  I woudn't be here without you. Thanks for believing in me.(パパとママへ。今の私がいるのはあなたたちのおかげです。私を信じ続けてくれてありがとう)』とあるのがなんとも微笑ましい。 
 彼女自身の青春へのさまざまな思いがこの作品に込められているのだということがこの言葉からも窺える。 
 そしてそんな彼女の真摯な思いが素直に伝わってくるのである。 
 爽やかな気分になれる映画である。

 
 
 
 ASSASSIN(S)
 2/18  アサシンズ

●監督・脚本:マシュー・カソヴィッツ ●製作:クリストフ・ロシニャン 
●音楽:カーター・バーウェル 
●出演:ミシェル・セロー/マシュー・カソヴィッツ/メディ・ベノーファ 
  
1997年フランス・ドイツ作品 

 初老の殺し屋ヴァグネルが25歳のマックスを殺し屋の後継者として育てようとするが、思惑通りにはいかず、途中でマックスの弟分である13歳のメディにその役目を切り替える。 
 優しさがネックになっていたマックスと違って冷酷に殺しを遂行するメディは彼の後継者として育つかに見えたが、メディの起こした破滅的な事件によって結局すべてが終息してしまう。 
  
 前作「憎しみ」で話題になったマシュー・カソヴィッツ監督が「憎しみ」に続いて現代の若者の歪んだ姿を描いている。 
 この物語の背後には現代のマス・メディア、とくにテレビ批判が流れているのは明らかだが、そうしたメッセージはあまり強くは響いてこない。 
 結局物語を支える骨格にいまひとつ力強さが欠けているのがその大きな理由であろう。 
 いささか書き込み不足と言わざるを得ない。登場人物の造型がもう少しつっこんだ書き込まれ方をしていれば、もっとエキサイティングな物語になったにちがいないと思えるだけに惜しまれる。

 
 
 
 COUSIN BETTE
2/18  従妹ベット

1998年アメリカ作品
●監督:デス・マカナフ ●製作総指揮・脚本:リン・シーファート/スーザン・タール  
●製作総指揮:ロブ・シードリンガー ●製作:サラ・ラドクリフ 
●撮影:アンジェイ・セクラ ●音楽:サイモン・ボスウェル 
●編集:タリク・アンワール/バリー・アレキザンダー・ブラウン  
●美術:ヒューゴ・ルジック・ウィホウスキ ●衣装:ガブリエラ・ペスクッチ 
●出演:ジェシカ・ラング/エリザベス・シュー/ボブ・ホスキンス 
 ケリー・マクドナルド/ジェラルディン・チャプリン/アデン・ヤング 

 暗く孤独な生活を送るオールド・ミスがせっかく手に入れたと思った幸せをあっさりと横取りされ、その怨みから陰湿な復讐を企てる。 
 バルザックの小説「人間喜劇」の一編を映画化したこの物語の主人公ベットを演じるのはアカデミー賞女優のジェシカ・ラング。 
 この役は当時としては珍しく仕事をもって自立した女性で、

 
 
 
 THE TANGO LESSON
2/19  タンゴ・レッスン

●監督・脚本:サリー・ポッター ●製作:クリストファー・シェパード 
●撮影:ロビー・ミューラー ●音楽:サリー・ポッター他 
●編集:エルベ・シュネー ●振付:パブロ・ベロン ●衣装:ポール・ミンター 
●出演:サリー・ポッター/パブロ・ベロン/グスタボ・ナベイラ/ファビアン・サラス 
 
1997年イギリス・フランス作品 


 
 
 
 
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