眠狂四郎 勝負
1964年大映作品

監督: 三隅研次  企画: 辻久一  原作: 柴田錬三郎  
脚本: 星川清司  撮影: 牧浦地志  美術: 内藤昭  
音楽: 斎藤一郎  
出演: 市川雷蔵/ 加藤嘉/ 藤村志保/ 高田美和 
 久保菜穂子/ 成田純一郎/ 丹羽又三郎 
 五味龍太郎/ 須賀不二男 
 浅野進治郎/ 原聖四郎 

 市川雷蔵演じる眠狂四郎シリーズ、第2作目の作品。 
 前年に「眠狂四郎 殺法帖」が作られて始まったシリーズは1969年まで続き、つごう12本が作られるが、この第2作目でシリーズの骨格がほぼ出来上がったというのが、大方の見方である。 
 脚本は第1作に続いて星川清司が担当、反権力、そしてニヒルさのなかに時折顔を覗かせる市井の貧しい人間たちへの優しさという狂四郎の2大キャラクターがさまざまなエピソードのなかで語られるが、なかでも天涯孤独な少年をともに助けることになる老人との交流がこの映画の柱となっている。 
 老人を演じるのが名優、加藤嘉。一見、隠居老人のように見える彼が、実は幕府の勘定奉行で、財政立て直しと権力の腐敗を正そうと孤軍奮闘しているという人物である。 
 世を憂え、己を捨てて邁進する老人への共感と友情から、狂四郎は陰で彼を支えようとする。 
 そんなふたりの交流が時にユーモラスに、また情感豊かに描かれてゆく。 
 気骨あふれる男同士というふたりの関係が、次第に父親と息子のような、お互いを思い遣るものに変わっていく様子は、微笑ましくも慎みに満ちた端正さを感じさせて、好ましい。 
 監督は名匠、三隅研次。雷蔵とのコンビで同年に「無宿者」「剣」を、翌年に「剣鬼」といった秀作を撮っていることからも分かるように、ふたりがもっとも油の乗り切った時代の一本である。 
<2007/7/15>
 
 
 
 
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