2010年9月8日
 
 
ハート・ロッカー
THE HURT LOCKER
 
 
2008年アメリカ作品。  上映時間131分。 監督/製作: キャスリン・ビグロー 製作: ニコラス・シャルティエ/グレッグ・シャピロ 製作総指揮: トニー・マーク 脚本/製作: マーク・ボール 撮影: バリー・アクロイド プロダクションデザイン: カール・ユーリウスソン 衣装デザイン: ジョージ・リトル 編集: ボブ・ムラウスキー/クリス・イニス 音楽: マルコ・ベルトラミ/バック・サンダース 音楽監修: ジョン・ビゼル 出演: ジェレミー・レナー/アンソニー・マッキー/ブライアン・ジェラティ/レイフ・ファインズ/ガイ・ピアース/デヴィッド・モース/エヴァンジェリン・リリー/クリスチャン・カマルゴ
 
昨年度のアカデミー賞で「アバター」を抑え、作品賞など主要6部門を受賞した『ハート・ロッカー』のレンタルが始まったので、さっそく観ることにした。
2004年、イラクの首都バグダッドを中心に爆発物の処理を行う兵士の姿をリアルに描いた戦争映画である。
死と隣り合わせの過酷な任務であるが、新任のジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)は、死を恐れぬ大胆な行動で爆発物の処理をこなしていく。
それはまるで死と戯れるような行動、死を望むかのような危険な行動であった。
そうした行為でしか生きる実感を感じられなくなってしまった、戦争中毒者とでも呼びたいような人物を描くことで、リアルな戦争というものの愚かで悲しい現実を表現しようとしている。
原題の『The Hurt Locker』は『棺桶』を意味するスラングである。
『Hurt』は傷つくということ、『Locker』は物を収納するロッカーのことである。
この映画は反戦映画ではないし、何かを賛美したり、告発するといったものでもない。
ただ静かに戦争の最前線を冷めた目で見つめ、淡々と描いていくというものである。
アカデミー賞受賞がなければ、あまり注目されることもなく、ごく一部のマニアに支持されるだけといった種類の映画である。
それがなぜ「アバター」を抑えて、これほどの賞を受賞したのか、そう考えると、今のアメリカにとって、イラク戦争という現実の切実さが、われわれの想像をはるかに超えたものではないかと思えてくる。
そうした時代の空気が、この映画の評価を一段と高めた要素なのかもしれない。

監督は『ハートブルー』『K-19』のキャスリン・ビグロー。
彼女の作る映画のファンではあるが、『ハート・ロッカー』は残念ながら、心に残る映画とは云い難いものだった。
<2010/10/1>

 
 
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