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1951年アメリカ作品。 上映時間122分。 監督: エリア・カザン 製作: チャールズ・K・フェルドマン 原作/脚本: テネシー・ウィリアムズ 脚本: オスカー・ソウル 撮影: ハリー・ストラドリング 音楽: アレックス・ノース 出演: ヴィヴィアン・リー/ マーロン・ブランド/ キム・ハンター/ カール・マルデン/ ルディ・ボンド/ ニック・デニス/ ペグ・ヒリアス/ ライト・キング/ リチャード・ガリック |
いやあー、すごい映画だった。
壮絶な人間ドラマ、悲劇ではあるが、見方を変えればある意味、喜劇でもあるかもしれないというドラマ。 どんどんとドラマの世界に引き込まれていき、人間の弱さ、残酷さ、愚かさが次第にむき出しにされていくプロセスに身震いしてしまった。 主役のブランチを演じるのは、ヴィヴィアン・リー、この映画でアカデミー主演女優賞を受賞しているが、その受賞が頷ける迫真の演技であった。 あの世紀の美女ヴィヴィアン・リーが、その若さと美貌を失い、醜く堕ちていく悲劇の女性を渾身の演技で演じているが、これが彼女自身の映画人生最後の輝きでもあったわけで、その後の人生を考えると、二重の意味でも悲劇であったようにも思えてしまう。 さらにブランチの妹ステラをキム・ハンター、その夫スタンレーをマーロン・ブランド、彼の友人ミッチをカール・マルデンという布陣である。 キム・ハンターとカール・マルデンはこの演技で、ともにアカデミー助演賞を受賞、マーロン・ブランドは主演男優賞にノミネートされたが、惜しくも受賞は逃している。 彼はこの映画が事実上のデビュー作になるが、その存在感たるや、まさに他を圧倒するものがある。 この映画での彼の登場は、おそらく当時の映画界にあっては、センセーショナルな事件のようなものだったのではなかろうか。 そう思わせるほどの荒々しい魅力に満ち溢れている。 いずれにしても4人の火花の散るような演技合戦は見応えたっぷり。 それだけでもこの映画を観る価値があるというものだ。 ちなみにヴィヴィアン・リーはロンドンの舞台公演でブランチ役を演じ、他の3人はブロードウェイで同じ役を演じている。 まさに適役ぞろいというわけである。 監督は、舞台でもこのドラマを演出したことのある名匠エリア・カザン。 彼はアクターズ・スタジオの創立メンバーのひとりで、1947年にはこの「欲望という名の電車」の舞台の演出をして大成功を収めている。 その実績に基づいた会心の映画化であった。 映画の冒頭に出てくる「欲望(Desire)」という名前のついた路面電車は、実際に当時のニューオーリンズを走っていたそうである。
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