2010年2月16日
 
 
ひゃくはち
 
 
 
2008年日本作品。  上映時間126分。 監督/脚本: 森義隆  プロデューサー: 木滝和幸  企画・プロデュース: 永井拓郎  原作: 早見和真  撮影: 上野彰吾  美術: 松葉明子  主題歌: 湘南乃風  『晴伝説』   出演: 斎藤嘉樹/ 中村蒼/ 市川由衣/ 高良健吾/ 北条隆博/ 桐谷健太/ 三津谷葉子/ 有末麻祐子/ 橋本一郎/ 太賀/ 小松政夫/ 二階堂智/ 光石研/ 竹内力
 
 こんなにいい映画だとは思わなかった。
思わぬ拾い物だった。
あえてジャンル分けすると、スポ根ものということになろうが、内容はそう単純ではない。
直球勝負の映画というよりも、変化球勝負の映画である。
ふつう野球を題材にした映画となれば、そこそこ野球がうまく、ときには突出した才能の持ち主というところが相場である。
だがこの映画ではそういった種類の人間ではなく、ベンチ入りできるかどうかのぎりぎりのところにいるような万年補欠の選手が主人公なのである。
そこがこの映画の視点のおもしろいところ。
しかもここで描かれる高校野球の舞台裏も、けっして「清く、正しく、美しく」というばかりではないところがおもしろく、そしてリアルである。
時にはハメを外すこともあれば、隠れてタバコも喫うし、酒も呑む。
先輩のいじめとも思えるようなしごきにも耐え、ひたすら野球に喰らいついていく。
そんな綺麗ごとだけではない、高校生のリアルな生態も余すことなく描くことで、屈折しながらもけっして諦めない彼らの心情がリアルに伝わってくる。
そしていつしか彼らに感情移入し、ラストでは深い感動を味わうことになる。

華やかな舞台の裏には、こうした陽の目を見ない人間たちが大勢存在することを、知っているつもりだが、そうしたことを意識することはあまりない。
だがそうした人間たちの夢や願いが、脚光を浴びる人間たちを強く支える力になっているのは、間違いのないところ。
そしてそこにさまざまなドラマがあることも、忘れてはならないことである。
そうしたことをこの映画であらためて考えさせられた。

題名の「ひゃくはち」は、人間の煩悩の数と、ボールの縫い目の数がたまたま同じであるところからつけられた題名である。
意味がありそうな、なさそうな題名だが、いろんな煩悩が渦を巻くこの映画には似合いの、いい題名だと思う。


 
 
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