2008年5月19日
 
 
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
 
 
 
2007年日本作品。  上映時間112分。 監督/脚本: 吉田大八  プロデューサー: 柿本秀二/ 小西啓介/ 鈴木ゆたか  協力プロデューサー: 吉田博昭/ 遠藤日登思  原作: 本谷有希子   撮影: 阿藤正一/ 尾澤篤史  美術: 原田恭明  編集: 岡田久美  音楽: 鈴木惣一朗  音楽プロデューサー: 日下好明  主題歌: チャットモンチー  『世界が終わる夜に』  スタイリスト: 藤井牧子  ヘアメイク: 佐藤光栄  照明: 藤井隆二  録音: 矢野正人  助監督: 芦澤康久  出演: 佐藤江梨子/ 佐津川愛美/ 永作博美/ 永瀬正敏/ 山本浩司/ 土佐信道/ 上田耕一/ 谷川昭一朗/ 吉本菜穂子/ 湯澤幸一郎/ ノゾエ征爾/ 米村亮太朗/ 大原真理子/ 高橋睦美/ 金沢まこと/ 大川婦久美 
 
一見、普通の家族、だがよくよく見ると変な人間ばかり。そんな家族の物語。
とくに東京で女優を目指している主人公(佐藤江梨子)が、エキセントリックでどうしようもない勘違い女。
自分には才能があるのに、まわりが邪魔をするからうまくいかない、という思い込みだけで突っ走っていく迷惑女。
自分の才能の無さ、努力のかけらもないことは棚にあげ、すべてを責任転嫁して逆恨みをするという、まわりの人間にとっては、迷惑このうえない女なのである。
彼女が田舎に帰ってきたことから巻き起こる家族崩壊の物語が、スリリングかつテンポよく描かれる。
田舎の閉じられてドロドロとした家族関係のなかで起きることだけに、やけに説得力をもって迫ってくる。
しかし、いじめられ役がずっといじめられっぱなしのままではなく、けっこうしたたかなところもあるなど、なかなか芸が細かい。
とくに永作博美演じる兄嫁のキャラクター設定が秀逸だ。
彼女はコインロッカーで生まれた孤児で、普通の家庭に憧れを抱いているという女性。
そのために、どんな無理難題にも逆らわず、家族のためならと嬉々として従う、底抜けにお人よしな嫁を怪演(?)。
主人公の佐藤江梨子の破天荒さに、けっして負けていないキャラクターだ。
ドロドロとしていながら、一方でどこかスカッとした感覚も持ち合わせた怪作である。

 
 
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