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2003年アメリカ作品。上映時間 139分。監督/製作/脚本: ピーター・ウィアー 製作: サミュエル・ゴールドウィン・Jr/ ダンカン・ヘンダーソン 製作総指揮: アラン・B・カーティス 原作: パトリック・オブライアン 脚本: ジョン・コリー 撮影: ラッセル・ボイド/ サンディ・シセル 編集: リー・スミス 音楽: クリストファー・ゴードン/ アイヴァ・デイヴィス/ リチャード・トネッティ プロダクションデザイン: ウィリアム・サンデル 出演: ラッセル・クロウ/ ポール・ベタニー/ ビリー・ボイド/ ジェームズ・ダーシー/ マックス・パーキス/ マックス・ベニッツ/ リー・イングルビー/ ジョージ・イネス/ マーク・ルイス・ジョーンズ/ クリス・ラーキン/ リチャード・マッケーブ/ ロバート・パフ/ デヴィッド・スレルフォール/ エドワード・ウッドオール/ イアン・マーサー |
海洋冒険活劇「マスター・アンド・コマンダー」はピーター・ウィアー監督、5年ぶりの新作である。
パトリック・オブライアン著「英国海軍の雄 ジャック・オーブリー」シリーズ全20巻中、第10巻「南太平洋、波乱の追撃戦」を原作として映画化した作品だ。 時はナポレオンが世界征服を目指して快進撃を続けていた1805年。 必死の反撃を試みるイギリス海軍はジャック・オーブリー艦長率いるサプライズ号にフランスの私掠船(商船や捕鯨船を襲うことを任務とする民間の武装船)アケロン号追撃の命令が下る。 だがサプライズ号は逆にアケロン号の奇襲にあって大打撃をうけてしまう。 アケロン号は最新鋭の戦艦である。 これに対してサプライズ号は旧式で、戦闘能力は明らかに劣っている。 それが奇襲を受けたのだからひとたまりもない。 多大の損害を被ってしまう。 しかしこのことが艦長オーブリーの闘争心に火をつける。 損傷を受けた船を、海上で素早く修復するや、ただちにアケロン号追跡を開始する。(この時代の帆船はこうやって航海上で修理をすることで航海を続けることができたということをはじめて知った。) こうして大西洋からホーン岬を経て南太平洋のマダガスカル諸島に至る壮大な追撃戦が展開されることになる。 艦長オーブリーを演じるのはラッセル・クロウ。 ともにオーストラリア映画出身のピーター・ウィアー監督から一年がかりで説得されての出演である。 「ラッキー・ジャック」の異名をとる艦長ジャック・オーブリーは不敗神話の持ち主である。 その勇猛果敢なリーダーシップで乗組員たちから絶大な信頼をうけている。 さらに彼はサプライズ号のことはすみからすみまで熟知しており、手足のごとく船を操ることができる。 そんな彼に従えば必ずや任務を全うでき、無事祖国に帰ることができると乗組員たちは堅く信じている。 そしてジャック・オーブリーは機略に富んだ戦術と執念で見事その信頼に答えるのである。 「グラディエーター」の主人公にも通じるこうしたカリスマ性のある強烈なリーダー役はやはりラッセル・クロウならではのものだ。 幼い見習い士官たち(当時のイギリス海軍では10代前半の少年たちが見習いとして乗船していたことをこの映画ではじめて知った。)に父や兄のような優しい眼差しを向けたり、戦闘を前に兵士たちに激しいアジテーションを浴びせて鼓舞し、彼らの戦闘能力を最大限に引き出したり、また長い船上生活の苦しさから乗組員たちが疑心暗鬼になって規律がゆるみはじめると、厳格に対処して綻びを芽のうちにつみ取るといったぐあいに、艦長としての能力の高さがつぎつぎと描かれていく。 そんな彼をサポートするのが船医のスティーヴン・マチュリン、豪放磊落な軍人ジャック・オーブリーに対して学究肌のマチュリンという組合せがいい。 ともに音楽を愛するふたりが戦闘のつかのまのひととき、チェロとヴァイオリンを演奏することで心のバランスをとろうとする。 殺気立った船上生活の味気なさを芸術的な香りで癒やそうとする。 またマチュリンはジャックの本音を時には受けとめ、時には諫めるといったぐあいに何くれとなくサポートすることでジャックの大きな支えになっている。 そんなふたりの友情がこの映画の大きな柱になっているが、マチュリン役のポール・ベタニーは「ビューティフル・マインド」でもラッセル・クロウのルームメイト役を好演した俳優で、それに引き続いての共演である。 <2004/04/06>
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