そこでさっそく作業にとりかかってみたが、いわゆるベストテンといった狭いくくり方では洩れる作品があまりにも多く、無理があり、対応しきれないということに気がついた。  
　また逆に好きな映画を手当たり次第に並べていくのもとりとめがなく、曲がないようにも思われる。  
　そこで映画の内容によっていくつかのジャンルに分類し、そのなかのベストの作品を選ぶという方法がいいのではないかと考えた。  
　そうすることによってより広い範囲からの選択ができ、変化をもたせられるのではなかろうか。  
　しかし、この方法によっても当然もれる作品はでてくるようで、結局こうした作業にはこうしたことはありがちで、ある程度は仕方がないと割り切らなければ先へは進めないようである。  
　そうしたことを前提にして、この作業を進めることにした。  

　ジャンルによっては１０本に満たない時があり、また逆にそれを越える時もあるが、正確な数は無視することにして、おおよそ１０本前後という数を目安にして選んでみた。  
　こうして選んだ映画の趣味志向によって、私自身の過去と現在が浮かび上がり、私という人間の側面がいくらかでも現れてくるのではなかろうか。  
　そんなことを期待しながら筆を進めてみたいと考えている。  
　どんな映画を好み、どんな映画に影響をうけてきたかという、いわばこれは私自身の映画ファンとしての履歴書である。